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ある高校の図書室に勤務している方から聞いたお話です

図書の当番である生徒が、その日、約束の時間に遅刻してきました。

Aさん(図書室に勤務の人)「どうして遅れてきたの?」
Sさん(生徒)「面倒くさいから・・」

ここから想像できる会話のパターンは
Aさん「遅れてきて面倒くさいとは何だ!!
Sさん「はーすみません・・・」
となるかもしれません。

AさんはSさんの「面倒くさい」という言葉の裏には、違う感情があるのではないかと気づきました。
そこで・・・

Aさん「面倒くさい・・・その言葉だけだと何が面倒くさいのかがよくわからないよ。」と、
相手を責めずに自分の正直な思いを伝えたところ
Sさん「調理実習があって・・・自分はアレルギーがあって食べられないものがあったから、調理実習の片付けの後に家から持ってきたものを食べていたんです
Aさん「なんだ、そうだったんだ・・

Aさんはその後、Sさんに
・「面倒くさい」だけだと相手からの誤解を招き、自分が損をすること。
・理由があるのだったら、今日のように言葉で伝えることが大事であること。
・そうすると、相手にもわかってもらえること。
など、社会では当たり前と思われていることであっても、真剣に伝えたそうです。

Sさんは涙ぐみながら聞いていたことから、「この生徒は、大人が自分のためを思って向き合ってくれる体験がないままだったのか・・・」と
驚いたそうです。

自分のために一生懸命になってくれる人がいる。
それだけで救われるのかもしれません